ピアノという楽器について2010/07/16 10:02


ピアノという楽器は、数ある楽器の中でも最も無機質な楽器なのではないか、と思います。
その対局は歌。
声は発するだけで人が出るし、
いい声が出ればもうそれだけで半分はいい音楽が出来たようなもの。
弦楽器なども、音を出すという時点で難しいので、
きれいな音で弾けるようになったらそれだけでもある程度は音楽になるもの。
そういう楽器や声は、その音を出しているということ自体がフレーズになるような動きをしてるから、いいんでしょうね。

昔ベルリン芸大の友達が、
「ピアノはひたすら音楽作りのレッスンをするんだろうけど、弦楽器は音を出すのが難しくて、音がうまく出たらそのボーイングがそのままフレーズになるから、そんなに音楽的なことのレッスンはしないんだよね。」
というようなことを言っていて、衝撃を受けたものでした。

確かに、ピアノはパソコンのキーを押さえるがごとく、
誰でもその鍵盤を押せばその音がちゃんと鳴ってくれるんですよ。
固い音、とかしっかりしてない音、とかはあるにしても、
聞くに堪えない音はあんまり出ない。
でも、そうやってなんとなく出した音を並べていっただけでは、
本当に音を並べただけの音楽になってしまうんですね。
というか、音楽にならない。

昔 野平一郎先生が、
「ピアノという楽器は音が減衰していく一方だけど、その音があたかも伸びているかのように聞かせることが出来る。それは本当は耳の錯覚なわけだけど。」
という話をしていたことがありました。
その時はよく分からなかったけれど、今思い出してみるとすごく真理を突いた言葉だなぁと思います。
それはどうやってやるかというと、頭の中でその音が繋がっていってるイメージを強く思い描くんですね。
そうすると、どんなタイミングでどんな音量で次の音を弾けばレガートに聞こえるか、音が膨らんで聞こえるか、またしぼんで聞こえるか、
そういうことが見えてくるんですね。
そういう時に、音を伸ばすことが出来ないというピアノの短所はそのまま、
音を伸ばしておく必要がない、という長所になってしまうんです。
他のほとんどの楽器はその間中音を伸ばしていて神経を使ってないといけないから、
どれだけ頭の中で繋がっていようが、伸ばしている途中で変な音を出してしまったりすると、
全てが崩れてしまう。
でも、ピアノは一旦音が出てしまえば後はもうどうしようもないわけです。
それは、音を出す瞬間にすでにもう何歩か先のことまで全て分かってないといけないという怖さでもあるけれど、それが分かる様になってくると音を伸ばさずしてフレーズを意のままに操ることが出来るようになる。

そんなものを実証するために、一本指でメロディーを弾いてみたり、
それどころかエンピツでトロイメライを弾いてみたり、
いろんな実験をしてみてるわけなんです。

それにしても、部屋で一人でえんぴつでピアノを弾いてる様子は、結構不気味なものがあるかもしれませんね。。。。

松本和将(ピアノ)

7月16日2010/07/16 10:09

というか、今日インターネットをみたところ、小松亮太の公演、完売と書いてあるではないですか!!
皆さま、本当にありがとうございました。

私個人が思う、小松亮太コンサートの魅力について今日は書きたいと思います。

とにかく、いつ、いかなる状況下の公演でも小松さんは妥協を許さない。最後までやりきるんです。
まあ、当たり前といえばそうですが、手を抜かないって案外難しいと思うのです。
1回1回のコンサートに全身全霊を注ぐには、今日のコンディションがよければいい、というわけにはいきません。
その何日も前から練習して、楽譜を準備し、みんなでリハーサルもし、体調をコントロールし、万全な体勢に持っていかなければいけないからです。

それと、MCが面白い。
取材などで同行していると、よく思うのですが、よくあんなにしゃべる言葉が次から次へと出てくるなぁ、と。
しかも分かりやすい、明快なんですよね。

普段は、そんなによくしゃべるわけではありませんが、さすが、得意科目は国語、の小松さんです。


P.N.せんべい(小松亮太マネージャー)