7月17日2010/07/17 12:52

昨日から広島に来ています。
実は僕は広島生まれで、中学3年の時に東京に出るまでここ広島で過ごしました。
上京した後も、両親をはじめ親戚のほとんどが広島に居たこともあって、年に何回かは必ず広島に「帰って」いました。
しかし大学卒業後ドイツに留学して、その後日本に戻ってからも東京に居を構えたこともあって、広島に「戻って」住むということはありませんでした。
広島には広島交響楽団という素晴らしいオーケストラがあり、幼少のころから親に連れられて聴きにいっていました。
その当時から指揮者に憧れていた僕は、その当時の常任指揮者でいらした井上一清先生や事務局に手紙を書いたりする、ちょっと大胆な子供でした。
ドイツ留学から戻ってすぐに、新人演奏会の指揮をさせていただいたのがもう20年以上前のことになります。それからは「仕事」で帰ってくるようになりました。
「生まれ故郷」っていいなと、最近つくづく思います。
街も人も少しずつ変化しているのですが、それは当然のことで、でもその中で変わらないものがある。そして育まれていくものもある。
昨夜たまたま秋山和慶先生の指揮する広島交響楽団の演奏会があったので聴きに行きました。ここ何年かこのオーケストラを指揮させて頂いて感じるのは飛躍的にそのクオリティーが向上したことです。勿論比べるべくもありませんが、僕が幼少の頃、プロ化されて間もなくの広響とはまさに隔世の感があります。
演奏会の後、もう40年にもなろうという付き合いの餃子屋さんで食事しました。
僕が小学生の頃、見習いだった若い「兄ちゃん」が、もう白髪混じりの「おじちゃん」です。でも変わらずその元「兄ちゃん」が鍋をふるって料理をし、餃子の味は天下一品です。
19日に開催される広島交響楽団の演奏会のリハーサルが、今日から始まります。
プログラムは、ブラームスの1番のシンフォニー、ソリストに田村響君を迎えてモーツァルトの21番のコンチェルト、そしてシューマンの「ゲノフェーファ」序曲。
「ゲノフェーファ」はシューマンの書いた唯一のオペラで、上演される機会は少ないのですが、今年はシューマン・イヤーということもあって、ヨーロッパの歌劇場でも取り上げられています。
実は来年2月、新国立劇場での東京室内歌劇場の公演で、日本初演を指揮します。
でもこの広響のプログラムは、それが決まる前に決まっていたのです。
何たる偶然!!
それでは、行ってきます!

山下一史(指揮)

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