7月18日2010/07/18 12:54

昨日は生まれ故郷の広島のことを書きました。
僕は2006年に仙台フィルの指揮者になりました。もう早いもので5年目のシーズンを迎えました。「第二の故郷」と言ったら言い過ぎでしょうか。
ホテル住まいではありますが、生来の喰いしん坊なので、ひょっとしたら仙台の地元の人より美味しい店には詳しいかも知れません。
仙台は本当に美味しい食材に恵まれていると思います。
海の幸!
僕の友人たちは仙台の話をすると必ず「牛タン、美味しいんでしょ。」と来る。
僕はいつも半ばうんざりしながらこう答えます。
「もちろん美味しいけれど、それは広島の人に向かって『お好み焼き』や『もみじ饅頭』のことだけを話題にするのと一緒だよ。」
友人たちは、一様に納得してくれます。
広島だって瀬戸内の海の幸に恵まれ、県の東北に位置する西条では美味しいお酒が醸されているのです。
昨夜も訪れましたが、「流川(ながれかわ)」という一大歓楽街があり、美味しい食べ物やお酒や、もしかしたら美しい女性と一緒にお酒を飲むなんてことを求めて多くの人たちが集まっています。

あれっ!
仙台と広島、似てませんか。
内海と外海の違いこそあれ、海の幸に恵まれ、おまけに「牡蠣」が名産。
美味しい県内産の日本酒も数知れず。
かたや中国・四国地方の中心地、仙台は東北6県の中心、
プロの野球チームやサッカーチームもあり、そして
プロのオーケストラがある!
実はこれが言いたかった!
日本にプロのオーケストラはいくつあるかご存知ですか。
30を少し超えるくらいです。
これを多いと取るか少ないと取るかは議論の分かれるところではありますが、
首都圏に13のオーケストラがあることを考えると、地方都市でオーケストラ活動を支えている街はそう多くないということなのです。
ここまでは共通点ですが、仙台にあって広島にないもの。
もうお分かりですね。

せんくら
です。
100を超えるコンサートをリーズナブルな値段で楽しめ、1日にいくつも「はしご」することが可能。
仙台フィルも毎年出演しています。
今年はショパン・イヤー。仙台が世界に誇る『国際コンクール』の覇者たちによるショパンのコンチェルト、地元宮城県出身のソリストによるコンチェルト、そして僕と仙台フィルが集中して取り組んでいる『ドイツロマン派』の名曲選、もちろん恒例の「第九」も素敵なソリストと、仙台市民の有志からなる合唱団の演奏を存分にお楽しみください。

さあ、今日は広島交響楽団の2日目のリハーサル、明日の本番に向けてテンションを上げていきたいと思います。
行ってきます!


山下一史(指揮)

「クラシック音楽のパワー」2010/07/17 18:54

3日間連続で行った、スクールコンサートが無事に終わりました。

2日目のブログに書いた、市長さんとお会いした日に受けた

新聞とテレビの取材が、記事になり、放送されました。

その記事&放送をご覧になった、この数年間で演奏させて頂いた、

宮城県内のホールスタッフの皆様、コンサートにいらして下さったお客様等

から、沢山の、コンマス就任への温かなお祝いメッセージを頂き、

とても嬉しくなりました。

(スクールコンサートでも、生徒さん達から「見たよ〜!」と声をかけて

頂きました)。皆様どうも有難うございます。



宮城県内、あちらこちらで弾かせて頂きましたが、どこの方も

心温かく、またさりげないお心遣いをして下さり、演奏に集中出来る

環境を整えて下さいました。

2006年にせんくらに参加させて頂いた時も、スタッフの方に

大変お世話になり、従姉の礒絵里子、そして共演者のギターの福田進一さん、

ピアノの浦壁信二さんと、楽しんで演奏させて頂いた事を思い出します。

満席のお客様の何と温かかった事!(仙台フィルのお客様も、とても

温かいです♪)。

仙台で、せんくら、国際コンクールが成功しているのは、スタッフ、

ボランティアスタッフ、演奏者、そしてお客様の、

“クラシック音楽を心から愛する気持ち”に溢れているからでは

ないでしょうか。



特にクラシック音楽には、想像力を豊かにし、悲しい時には慰め、

疲れた時には癒してくれ、楽しい時には盛り上げてくれるパワーがあります。

クラシック音楽を聴くだけで、その作品の時代にタイムスリップした気にも

なり、旅行した気にもさせてくれるし、植物や動物(人間も??)が

すくすく育つ、なんて事もあるなんて、すごい事だと思いませんか?



今年のせんくらでは、コンマスでの出演の他に、ソロでも演奏させて頂きます。

私が担当するヴィヴァルディの四季「春」は、特に風景が浮かんでくる、

バロックを代表する、素晴らしい作品!

ヴァイオリンで小鳥の鳴き声も出しますよ。

どんな小鳥になるでしょうか?? 私自身、楽しみです。





今日で私のせんくらブログは終わり、指揮者の山下一史さんに

バトンタッチです。

読んで下さり、どうも有難うございました。

普段書いているブログhttp://yaplog.jp/miho1017/

もご覧頂ければ幸いです。



それではせんくらでお会いしましょう!

 

             ヴァイオリニスト 神谷未穂

7月17日2010/07/17 12:52

昨日から広島に来ています。
実は僕は広島生まれで、中学3年の時に東京に出るまでここ広島で過ごしました。
上京した後も、両親をはじめ親戚のほとんどが広島に居たこともあって、年に何回かは必ず広島に「帰って」いました。
しかし大学卒業後ドイツに留学して、その後日本に戻ってからも東京に居を構えたこともあって、広島に「戻って」住むということはありませんでした。
広島には広島交響楽団という素晴らしいオーケストラがあり、幼少のころから親に連れられて聴きにいっていました。
その当時から指揮者に憧れていた僕は、その当時の常任指揮者でいらした井上一清先生や事務局に手紙を書いたりする、ちょっと大胆な子供でした。
ドイツ留学から戻ってすぐに、新人演奏会の指揮をさせていただいたのがもう20年以上前のことになります。それからは「仕事」で帰ってくるようになりました。
「生まれ故郷」っていいなと、最近つくづく思います。
街も人も少しずつ変化しているのですが、それは当然のことで、でもその中で変わらないものがある。そして育まれていくものもある。
昨夜たまたま秋山和慶先生の指揮する広島交響楽団の演奏会があったので聴きに行きました。ここ何年かこのオーケストラを指揮させて頂いて感じるのは飛躍的にそのクオリティーが向上したことです。勿論比べるべくもありませんが、僕が幼少の頃、プロ化されて間もなくの広響とはまさに隔世の感があります。
演奏会の後、もう40年にもなろうという付き合いの餃子屋さんで食事しました。
僕が小学生の頃、見習いだった若い「兄ちゃん」が、もう白髪混じりの「おじちゃん」です。でも変わらずその元「兄ちゃん」が鍋をふるって料理をし、餃子の味は天下一品です。
19日に開催される広島交響楽団の演奏会のリハーサルが、今日から始まります。
プログラムは、ブラームスの1番のシンフォニー、ソリストに田村響君を迎えてモーツァルトの21番のコンチェルト、そしてシューマンの「ゲノフェーファ」序曲。
「ゲノフェーファ」はシューマンの書いた唯一のオペラで、上演される機会は少ないのですが、今年はシューマン・イヤーということもあって、ヨーロッパの歌劇場でも取り上げられています。
実は来年2月、新国立劇場での東京室内歌劇場の公演で、日本初演を指揮します。
でもこの広響のプログラムは、それが決まる前に決まっていたのです。
何たる偶然!!
それでは、行ってきます!

山下一史(指揮)

「胎教から音楽の道へ??」2010/07/15 13:15

水曜日、木曜日は、東北電力主催のスクールコンサートで、
仙台フィル&工藤俊幸さん指揮で、小学校で演奏してきました。
数人の生徒さんは、「オケの生の音を聴いた経験がある」、と
答えていましたが、ほとんどの生徒さんにとっては、
テレビやCDで聴いた事はあっても、生で、間近で聴くという事は、
初めてだった様です。0歳からのキッズコンサートでも
よく演奏させて頂いていますが、初めて聴くのが、私達の演奏というのは、とても光栄で、嬉しい事ですが、責任重大ですよ!!

第一印象が大事、とよく言われる様に、
今日の演奏で、音楽好きになるかもしれないし、
反対に嫌いになってしまう、なんて事もありえますからね。

私が初めてクラシック音楽を聴いたのは、
9歳年上の姉が弾くヴァイオリンの音を、母のお腹の中にいた時に、
だそうです(姉は今、スイスでプロのヴィオラ奏者になっています)。
幼稚園時代だったか、「この曲、お腹の中で聴いたから、知っているよ」と母と姉に言ったそうなので、胎教になっていたのかも?

姉や従姉がきれいな音で弾く姿に憧れ、「私も弾きたい」と
ヴァイオリンを始めましたが、
これがもし、ギーギーと汚い音で二人が弾いていたら、
弾きたいとは決して思わなかっただろうなと、、、。(二人には感謝!)



小さい頃に親に連れて行ってもらったコンサートやバレエを観て、
将来、舞台で表現する人になりたい、と強く思い、
中学生の時に故・久保田良作先生の合宿中に行われた門下生オケで、初めてコンマスを経験させて頂き、それがとても楽しく、
仲間とのハーモニー作りが気持ち良く、「いつかプロのコンマスとしても
弾いてみたいな」と夢見たのも、今の仕事に大きく影響している事でしょう。

せんくらがきっかけになって、音楽好きになった、プロになった、
という方がお客様の中にいらっしゃると良いな〜♪。


ヴァイオリニスト 神谷未穂 http://www.yaplog.jp/miho1017/

「移動中には」2010/07/14 18:20

同じく今週1週間ブログを担当されているピアニストの松本さんは、
車がお好きなんですね。

私はといえば、桐朋学園大学に通っていた時には、
よく通学、演奏会場までの移動に車を使っていましたが、
今ではすっかりペーパードライバー(“ゴールド免許証!”)です。
車を運転していた時には、好きなCDをかけたり、
レッスン時に録音したテープを聴いたりしていました。
今は電車移動ですので、移動といえば、もっぱら“読書”か“寝る”です。
新幹線や飛行機の場合には、“食べる”、というのがプラスされます。
仙台→東京の新幹線内で食べるのは、牛タン弁当が多いです。
デザートには、くるみゆべし、萩の月、ずんだ餅等の宮城グルメ、そして
車内では、お土産に石巻産の乾燥海鞘(ほや)を何箱も大人買い、というのも旅の楽しみの一つです。

音楽仲間には、たまに枕が変わると眠れない、という繊細な方も
いらっしゃいますが、私はツアー先のホテルはもちろん、電車の中でも、
飛行機の中でもぐっすり、というタイプです。
一度成田からの飛行機で、離陸前に寝てしまい、気が付いたら
パリのシャルルドゴール空港に着陸していた、という事がありました、、、。

自分でもその熟睡ぶりにびっくり!!
なので、年中ツアーの多い仕事ですが、そのおかげで、睡眠不足で疲れがたまる、という事はありません。

ただ、時差調整にはいまだに苦労しているのですが、
最近、私と同じ様にパリ→成田を頻繁に行き来している
先輩ヴァイオリニストに、睡魔に襲われたら緑茶(粉末の)を飲むと良いよ、と教えて頂きました。試してみましたが、これはなかなか良い様です!

皆さんも何か良い方法をご存知でしたら、教えて下さい。どうぞよろしく。

ヴァイオリン 神谷未穂 http://yaplog.jp/miho1017/