「記憶」 ③2010/08/22 11:53

「そんなに甘いものではなかった」と気がついたのは、演奏会の10日ほど前。
考えてみてほしい。通常2時間の演奏会であれば、前日に演奏会同様2時間あれば、リハーサルができる。 しかし、この演奏会は演奏時間が(休憩をしながらだが)およそ16時間に及ぶためリハーサルは1日ではできないのだ。 たとえば、今日は30曲、明日は30曲というふうにリハーサルとすすめていったとしても、5日かかってしまう。そうすると、5日前にリハーサルした曲が 果たして演奏会で聴いて頂く状態で、僕の頭と身体に保たれているのか確認ができない。 では、もう一度弾こうとしたら、また5日かかり、これは堂々巡りだ。かといってまさか前日に15時間のリハーサルをやるわけにもいかない。

さて、最後はどうしたと思いますか?
まさに、人事を尽くして天命を待つ、といった心境でした。前日はとても穏やかな心境でいつものように夜はワインを飲んでいました。 なんだかワクワクとした気持ちで。

人生・・まさか自分の名前が「ギネス・ブック」に載ることになろうとは思ってもいなかった。でも、だからといって、すごいことをやってのけたというような思いはまったくない。全ては、ただショパンに近づきたくてやったことだから、きっと、僕の周りの応援してくれた多くの方々の気持ちが、あの演奏会を成功に導いてくれたのだと思う。

この場をかりて「ありがとう!」

横山幸雄(ピアノ)

コメント

_ もも ― 2010/08/22 14:31

当日お話伺うまで、当然通しのリハーサルをされていると思っておりましたので当時驚愕いたしました。
特に最終部の感動は聴き手にとってもいまだ深く心に残っております。
有難うございました。
せんくらも大変待ち遠しいプログラム内容ですが、その前に来月の東京リサイタルも楽しみにしております。

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