絵が楽譜に、天に向かって2010/09/02 18:33

 竹内将也です。
 昨年のせんくら2009では、「Rhythm & Beat」と題して映像を使用した音のつながりを試みました。

 コンピュータから幾何学的な模様が映像がプロジェクタで投影され、それはいろいろなパターンに変化していきます。

 マイクを通してその場の音がコンピュータに入力され、音が映像を変化させていく、という単純ながら効果の高いシステムです。

 私が演奏をしているところにこの映像を投影するだけでは普通なことですが、演奏者も映像を見ることができる状態で演奏することで、音楽と映像の間に相補的な関係が生まれます。

 自らが出した音によって変化した絵を見て、その絵が演奏者のイメージに影響を与え、出す音にさらに変化を与えていく。

 そしてこのシステムを来場者皆さんにも体験していただきました。木琴や太鼓、ティンパニ、トライアングルやタンバリンといった小物打楽器を実際に用いて、絵を見ながらやっていただくのです。

 そうしますとどのようなことが起こるかと言いますと、来場者の皆さんは映像を見ながら打楽器の音を出します。ご自身が映像に、ある働きかけをしながら音を出すので、サウンドに方向性が生まれます。ガチャガチャと何となく音を出すことがなくなり、うるさくないのです。

 演奏は、常にあるイメージを持ちながら行う、音楽と共にある、共にありたい作業であると私は思っています。ですからその響きにはある方向性があります。特に地球の重力と反対側の方向、そう、反重力の方向こそが響きわたると。

 この映像のシステムは、昨年のせんくら以来も数々の場所で行いました。特に娘達がお世話になっているご縁で、多くの仙台市保育所のコンサートで実際に子供達に体験してもらいました。

 その中で、忘れ得難い体験があります。
 私が静かな木琴の音楽を、この映像と共に演奏していた時です。子供達はこのシステムがどうやら自分たちの声でも反応することに氣がついたらしく、誰となく息を合わせて、映像に向かってとても元氣な声で「ワーッ!!」と出し始めたのです。

 普通ならば、大きな声で静かな音楽が聞こえなくなってしまうものですが、その時は私のマリンバの音楽と彼らの元気な声が、何とも言えない感覚で調和したのでした。母性的で穏やかなマリンバの音楽と子供の無垢で素直な声が、映像を通して繋がった瞬間でした。まさにこのとき、その映像が共通の楽譜となって、その場すべてを響かせたのです。

                       竹内将也

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